コラム05:現場で信頼される人材の共通点

現場で信頼され、また一緒に働きたくなる人の共通点

舞台監督という仕事は、
資格があるわけでも、決まった正解があるわけでもありません。
同じく現場に出入りする人たちも同様です。

それでも現場では、
「この人なら安心できる」
「この人が入ると現場が回り出す」
そう言われる人材が、確実に存在します。

では、現場で信頼される人に共通する資質とは何なのでしょうか。
Tripleguns がプロダクションマネージャー業務や舞台監督業務などを通して、
数多くの現場を通して感じてきたポイントを整理します。


1. 全体を同時に見る力(俯瞰力)

良い現場メンバーは、自分だけを見ていません。

  • ステージ上
  • 舞台裏
  • 客席
  • FOH
  • 楽屋
  • ローディング(搬入/搬出)

これらを同時に頭の中で把握し、
一つの判断が他にどう影響するかを常に考えています。

部分最適ではなく、
現場全体として成立しているかどうかを見る力。
これは経験によって磨かれる、非常に重要な資質です。

自分、チーム、全体を考えながら行動するメンバーが多いほど、
現場は良い雰囲気になっていく傾向にあります。


2. 即断即決できる判断力

現場では、予定通りにいかないことが必ず起こります。

  • リハーサルが押す
  • 機材トラブルが出る
  • 出演者の動線が変わる
  • 天候や安全面の問題が発生する

良いメンバーは自分だけの「完璧な答え」を探しません。

その時点での全体の最善策・最適解を即座に決め、前に進める。
この判断力が、現場の混乱を最小限に抑えます。


3. 指示がシンプルでわかりやすい

現場では、長い説明は聞いてもらえません。
人により、理解度が異なることもあります。

良い指示は、ブレないのはもちろんのこと

  • 短い
  • 具体的
  • 誤解の余地がない

「今はこれをしてください」
「次は〇分後にこれです」

誰が聞いても同じ理解になる言葉を選べるかどうかは、
現場のスムーズさに直結します。


4. 技術を“全部”わかろうとしない勇気

意外に思われるかもしれませんが、
我々はすべての専門技術を完璧に知っているわけではありません。

重要なのは、

  • 何が専門外かを理解していること
  • 専門スタッフを信頼できること
  • 最終判断のポイントだけを押さえていること

音響・照明・映像・舞台。
それぞれのプロの意見を聞き、最後に決断する役割を担うのが舞台監督です。


5. 感情を現場に持ち込まない冷静さ

現場は、想像以上に感情が揺れます。

  • プレッシャー
  • 焦り
  • 怒り
  • 不安

プロフェッショナルは、自分の感情を現場にぶつけません。

冷静に、一定のトーンで指示を出し続けることで、
周囲のスタッフも落ち着きを取り戻します。

これは「我慢強さ」ではなく、
現場全体を守るためのスキルです。

たとえ、誰かに怒鳴られても動じない。怒鳴られるようなことがあっても、
他の人にその嫌な雰囲気を持ち込まない、これもとても大切なスキルです。

「あの人は質問しやすい」「この人に聞けば必ず大丈夫だ」という
安心感を現場でもってもらえると、よりスムーズになっていきます。


6. “責任者”だという自覚

最終的に「現場の責任」を引き受ける立場は誰か?
自分の場合はどうするか?

  • 判断が間違っていれば、自分の責任
  • トラブルが起きても、逃げない
  • 他人のせいにしない

この覚悟がある人は、自然と現場から信頼されます。


まとめ

良い現場に必要なのは、
声の大きさや強さではありません。

  • 全体を見る力
  • 判断する勇気
  • シンプルな指示
  • 冷静さ
  • 責任を引き受ける覚悟

これらが積み重なって、
「またこの人と現場をやりたい」と思われる舞台監督になります。

Triplegunsでは、
こうした資質を重視しながら、国内外の現場で制作を行っています。