前回のコラムに続き、今回も一見キラキラしてそうに見える「ライブ制作」の裏側を
ライブプロダクション「トリプルガンズ」がお伝えしていきます!
ステージ裏は、華やかさよりまず肉体労働
コンサート会場の設営バイトを見たことがある人、実際にやったことがある方はいますか?
「機材が本気で重い」「まじで台車の存在は神」「搬入と搬出は引越作業」「ステージ裏が迷路すぎる」
「無心で椅子を畳んでは運んだ」「大量のプラ柵を片付け続けた」
ライブの裏側に少しでも触れたことがある人なら、
ステージができるまでに相当な肉体労働があり、気づけば全員が汗だくで作業をしているところも
なんとなく想像できるかもしれません。
会場の床を守るための養生。
大量の機材の積み下ろし。
ステージの設営と、本番後の撤去。
お客様が目にするのは、完成したステージと華やかな本番です。
でも、その景色ができあがる前には、重いものを運び、組み、守り、
時間内に形にするための大仕事があります。
Triplegunsは、日本と世界をつなぐ国際ライブプロダクション会社として、
日本アーティストの海外公演やワールドツアー、現地制作進行、会場との調整、
ステージ制作のサポートを行っています。
今回は、そんなライブ制作の中でも、一般の方には意外と知られていない「設営の肉体労働」に焦点を当てて、プロが裏側で何をしているのかをご紹介します。
ライブ制作の裏側は、機材搬入から始まる

ライブのステージは、突然そこに現れるわけではありません。
当然ですが、ゼロから作ります。
必要な機材はすべて会場まで運ばれ、搬入され、決められた位置に設置されて、仕事が完了するまで休みなく働き続け、初めて本番を迎えます。
この最初の大仕事を支えているのが、トランポさんやステージハンドと呼ばれる人たちです。
トランポは、機材を会場まで安全に運ぶ輸送のプロ。
そしてステージハンドは、会場内での搬入出、積み下ろし、設営補助、撤去など、ライブ現場の重労働を支える存在です。
この人たちがいなければ、そもそもステージはできません。
たとえば、会場に着いて最初に始まる作業には、こんなものがあります。
- 機材車からケースや部材を降ろす
- 台車で搬入口から会場内へ運ぶ
- 会場の床や壁を守るための養生を行う
- ステージ部材を組み上げる
- 本番後にすべてを安全かつ短時間で撤去する
どれもシンプルに見えて、体力も集中力も必要です。
デスクワークとは程遠い仕事です。
重いから力があればいい、というものでもありません。
安全に、順番どおりに、スムーズに次の工程を止めないように進めることが求められます。
ライブのステージは、突然そこに現れるわけではありません。
必要な機材はすべて、会場まで運ばれ、搬入され、決められた位置に設置されなければなりません。

この最初の大仕事を支えているのが、「トランポさん」や「ステージハンド」と呼ばれる人たちです。
日本の「トランポさん」はいかにきめ細やかで誇り高い職人集団であるか
日本で「トランポ」といえば、機材を会場まで安全に運ぶ輸送のプロ、
トラックドライバーチームのことです。
日本のトランポさんは、単に運転するだけではありません。 彼らは機材の積み込み(テトリスのように完璧に詰める!)から、会場への搬入、機材の受け渡しまで、設営チームと阿吽の呼吸で連携します。機材を傷つけないための養生への配慮、時間厳守の意識、
そして何よりも「自分のトラックと機材を守る」という誇りは、世界でもトップクラスの職人集団です。
一方、海外(特に欧米)では、「トランポ」という呼び方は一般的ではありません。 「Trucking」や「Transport」という役割は存在しますが、ドライバーはあくまで「運転手」であり、日本のように設営作業の一部まで深く関わることは稀です。
トランポさんとの「あ、あれお願い」が通用しない海外のドライバーとの連携は、最初にして最大の「商習慣の翻訳」の現場になります。
まるでプロレスラー!?
海外現場の「ステージハンド」の凄まじいパワー
設営現場で、物理的に現場を前へ進める大きな力になっているのがステージハンド(ハンズ)です。
彼らの役割は、単に「重いものを持つ人」ではありません。
搬入された機材を正しい場所へ振り分け、ステージ部材(平台上、トラスなど)の組み立てを補助し、各セクションの指示に応じて機材を移動させ、撤去時には短時間で解体・搬出する。现场全体の流れを支える非常に重要な存在です。
そして、海外の現場になると、彼らの「人」の力は、凄まじい迫力になります。
海外(欧米)のステージハンドは、見た目からして本当に大きい人が多いです。全員マッチョで、まるで格闘技のプロやプロレスラーのチームが、がんがんと機材を運んでいくようなイメージです。
彼らは、すんごい馬力とスピードで作業を進めます。重い機材も笑顔でひょいと持ち上げ、複雑な構造物もあっという間に組み上げ、撤去時には地響きのような速さで会場を空にします。
それくらい、ライブ設営の現場は体力勝負の世界。
彼らの圧倒的なマンパワーがなければ、海外の大規模なステージは絶対に完成しません。
現場では、チームワークが時間を作る。
ライブ制作の現場では、時間が何よりも重要です。
限られた時間の中で、安全に、正確に、確実に本番の状態まで持っていかなければいけません。
そのために必要なのが、役割分担を明確にすることと、チームワークを強化することです。 誰が何を担当するのか。今どの工程を優先するべきか。こうしたことが整理されている現場ほど、無駄な動きが減り、時間を有効に使えます。
我々Triplegunsも、各チームがスムーズに動けるように全体を見て、
時間を無駄にしない進め方を作ります。
素晴らしいライブは、一人で作れるものではありません。
多くの人が同じ方向を向いて動くことで、初めて成立します。
そして最後に、強く書きたいのは、
「日本のコンサートは、アルバイトの皆さんがいなければ、巨大なステージは絶対に完成しない」
ということです。今までアルバイトしてくれた皆、ありがとう!
そして、肉体労働したい!アルバイトから手伝いたいという方は是非足を踏み込んでみてください。
プロフェッショナルのチームワークを支え、現場の膨大な作業(重いものの運搬、養生、撤去など)を物理的に担ってくれる彼らの存在こそが、ライブ制作の現場を前に進める不可欠な力です。
華やかな本番の前にある、重くて地道な、凄まじいマンパワー、「人」の力による大仕事。
声を掛け合って、その積み重ねを、確実に本番につなげていくこと。
それもまた、ライブ制作の大切な仕事です!